工芸をめぐる旅in富山|能作の工場見学
子供の春休み突入で、久しぶりに富山に帰省しています。
年に1度しか帰省することができないので、今回の帰省にあわせて
「富山の工芸をめぐる」というテーマを決めました。
自分が富山に住んでいた若かりし頃は、全然工芸品などは興味がなかったのだけど
自分が伝統工芸品である大洲和紙を使って作品を作っていることもあり、ふるさと北陸の工芸にも興味が出てきました。
富山の高岡市は鋳造で栄えた町です。
有名な観光地では高岡大仏もあります。
今回は高岡オフィスパーク内にある能作の社屋に子供たちと行ってきました!
世界の能作、社屋もおしゃれだなぁ。
「能作-nousaku-」とは?
株式会社能作は大正5年創業。今から100年以上も前ですね。
日本を代表する錫(すず)や真鍮(しんちゅう)の鋳造メーカーの一つです。
もともとは、仏具、茶道具、花器を中心に制作されていたそうです。
近年では、錫(すず)を使用した製品がニューヨーク近代美術館で販売されるなど
デザイン性の高さから世界からも注目されています。
2017年4月に能作は新社屋をオープンされました。
この新社屋では5つのことが楽しめます!
①FACTORY TOUR 工場見学
②NOUSAKU LAB 錫製品の製作体験
③TOYAMA DOORS 富山のみどころ紹介
④IMONO KITCHEN カフェ
⑤FACTORY SHOP 能作の製品販売
今回は①工場見学、②錫製作を体験!
こちらの工場見学、ワークショップは予約制なのでまずは予約を
予約カレンダーには1週間以内の日にちはでていません。
1週間以内に予約したい場合は電話で確認しましょう。空きがあれば予約できます。
私も、1週間以内だったので電話で確認しました。
工場見学・製作体験両方予約できます。
注意点
・小学生のこどもは保護者の付き添いが必要
・工場見学・製作体験両方したい場合は時間を確認
今回は私と、小学校卒業したばかりの娘、小4の息子だったので、
私と小4の息子、娘(来月から中学生ということで1人でできるだろうと判断)と2組で予約しました。
社屋を入ったところにはずらりと木型が並べられていて見入ってしまいます。
これは砂の型を作るための型。型の型なのだそうです。
こうやってみるとアートですよね。
まずは工場見学
そして、工場見学の開始時間に集合。
いよいよ、工場見学のはじまりです!
私たちのほかにも7人ほどいらっしゃったのでみんなで10人くらい。ガイドさんがマイクで説明してくださるのをヘッドホンで聞きながら工場内を見学しました。
まず、目についたのが天井からぶら下がっている「錫すず」の文字。
錫を作業している場所は「錫」、銅を作業している場所は「銅」、溶接をしている場所は「接」の文字がぶら下がっています。
なんと、おしゃれでわかりやすい!
そして、1番びっくりするのが、ほとんどが職人さんの作業ということです。
機械もたくさんありますが、大事なところはやはり人間の作業なんですね。
こちらは砂の型。ホールにあったような型を入れて周りに砂を入れ固めます。
ここに錫や銅などを溶かし流し込んで形成するのです。
こちらはカップの型ですが、周りのは金属を流し込む時にできる道。
なんだかプラモデルみたいですね。
金属が固まったら、この砂の型は壊され、砂はまた再利用されます。
この鋳造法を生型鋳造法というそうです。
こちらは仕上げの作業。
職人さんが錫製品の表面を綺麗にするため、ヤスリを1つずつかけ丁寧に研磨されています。
自分の手で触ってひとつずつ確認されているそうです。
もうひとつ驚いたこと。
塗装や彩色、柄をつけるのは能作以外の高岡の職人さんなのだそうです。
全部を自社で行わない、いわば分業スタイル 。
あえて分業化することでそれぞれの得意を発揮できる。
また、高岡の職人さんに貢献し、高岡全体にも貢献することにもなります。
能作FACTORY TOURでいただいた、冊子に書いてあった社長語録がとても素晴らしかったので記載
伝統とは革新の連続
「古き良きもの」を消費者に押し付けるだけではいずれ失われてしまう。
人々が求める価値に耳を傾けなければ伝統は守れない。
たとえば、簾や蚊帳。昔は誰もが使っていたものが、いまではほとんど見かけない。
同じようにこれから忘れられていくものもたくさんあると思う。
それを「古いものには味わいがあるから」と行っているだけでは産業として生き残れない。
伝統は作るもの、いま始めたことが百年後の伝統になる。
長くなったので錫製品をつくった、ワークショップ体験は次の記事で書きます!
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